Evernoteにはローカルノートブックがあることをご存知ですか。
Evernoteから情報が漏れた際のリスクを考えて、あらためてローカルノートブックの活用について考えてみました。
【2015年9月】 ローカルノートブックにおけるバックアップ方法などを追記し、大幅に修正しました。
【2016年4月】 契約プランの違いによる1ページあたりのファイルサイズについて、追記しました。
目次
ローカルノートブックについて
1.ローカルノートブックを使う理由
2.ローカルノートブックの作り方
ローカルノートブックにファイルをインポート(事前作業)
3.Windowsのインポートフォルダを利用する
4.タイトルをわかりやすくするために、事前にファイル名を一括設定する
5.無料ユーザでもテキスト付PDFの検索が可能。画像ファイルはツールでOCR化
セキュリティについて
6.情報漏えいさせたくないデータを保存
7.二段階認証でセキュリティ強化
ローカルノートブックのバックアップ
8.ローカルノートブックのバックアップ方法と注意点
契約プランによる違い 9.1ページあたりのファイルサイズ
その他
10.参考にさせて頂いた記事
11.本ブログ内での関連記事
ローカルノートブックについて
・漏洩したら困るデータだけ、オンライン上に保存し、それ以外はローカルノートブックに保存すれば、情報漏洩のリスクを軽減できる。
・PCのローカルノートブックを使えば、月ごとの容量制限(2015年9月時点ではプレミアム:10GB、プラス:1GB、無料のベーシック:60MB)を気にせずに利用できる。
・ローカルノートブックでもオンラインに保存しているデータと同じように検索機能を利用できる。
・EvernoteはPC、タブレット、スマホで同期できることが重要なウリになってはいるが、PC環境以外で検索機能を利用することがほとんどない場合、PC版のEvernoteに情報が集約できていれば事足りる。
Evernoteのローカルノートブックは簡単に作成できます。こちらのブログに詳しく書かれています。
エバーノートの使い方入門編2、大人の仕事に活かすEvernote活用方法
1.メニューの「ファイル」から「新規ノートブック」を選択する。
2.または、左パネルのノートブックの上で右クリック。ノートブックを作成をクリック
3.ノートブックを作成ダイアログボックスが開くので、名前をつけて、必ず、ローカルノートブックにチェックを入れる。これで、同期しないノートブックができる。
ローカルノートブックにファイルをインポート(事前作業)
Windows版のEvernoteのインポートフォルダを利用すると、1ファイル毎に1ページのノートを作成できます。
PDFファイルをまとめてインポートしたり、音楽ファイルや写真をまとめて取り込みたい場合に便利です。
インポートフォルダの作成手順は、こちらの記事に書かれています。
【新連載!】Evernoteを“人生の収納スペース”にしてしまう究極のレシピ - 今回のレシピ:Evernoteのインポートフォルダ機能でフォルダを丸ごとノートに投げ込む 日経トレンディネット
ノートのタイトルは、そのノートの内容を要約したもののほうが良いです。タイトルを工夫しないと一目でみわけがつかず、たくさんのノートに情報が埋もれてしまうからです。
ただ、たくさんのノートに適切な名前をつけるのは面倒です。とくに自炊でスキャンしたPDFやダウンロードしたPDFファイルは、似たような名前になっているので、それを一つ一つ手動で直していくのはかなりの手間になります。
そこで、私は、上記3のインポート処理を行う前に、次の「Flexible Renamer」というフリーソフトを利用して、ファイルを一括リネームしてから取り込んでいます。ひと手間加えるだけで、Evernote上での整理がしやすくなります。
http://www.forest.impress.co.jp/library/software/flexrenamer/
例①
年賀状を自炊Scanした際は、フォルダに次のように格納して、「Flexible Renamer」を実行します。
<フォルダとファイル名>
2015年1月の年賀状
|-001.pdf
|-002.pdf
|-003.pdf
次のように、フォルダ名 + ”_” + 元のファイル名の名前に変更してからインポートしています。
<変換後のファイル名>
・2015年1月の年賀状_001.pdf
・2015年1月の年賀状_002.pdf
・2015年1月の年賀状_003.pdf
例②
こちらの記事でかいた新聞のデータをまとめてインポートする際は、日付フォルダに格納してから、「Flexible Renamer」を実行しています。
私にもできた!『日経テレコン21 ≪丸三証券版≫』用の ブックマークレット作成。日経新聞の記事選択を効率化 ~ 徐々に上達! (IT Trial Labo)
<フォルダとファイル名>
20150912(土)
|-LATCB014.do.pdf
|-LATCB014.do-1.pdf
|-LATCB014.do-2.pdf
20150913(日)
|-LATCB014.do.pdf
|-LATCB014.do-1.pdf
似たようなファイル名でも、次のように頭に日付をつけてからインポートするだけで、タイトルでソートしたときにきれいにならんでくれます。
<変換後のファイル名>
・ 20150912(土)_LATCB014.do.pdf
・ 20150912(土)_LATCB014-1.do.pdf
・ 20150912(土)_LATCB014-2.do.pdf
・ 20150913(日)_LATCB014.do.pdf
・ 20150913(日)_LATCB014-1.do.pdf
私は、最近数年ぶりにプレミアム会員の契約をしてみました。「10GBの容量」(ちょっと前までは一時的に無制限だったのですが、パフォーマンスが落ちたことを理由に改めて上限が設定されました)と「PDFの検索」、「メールを Evernote に保存」が主な理由です。
ただローカルノートブックだと、容量はとくに関係ないですし、テキスト付きのPDFファイルは、プレミアム会員でなくても、Evernoteで検索対象になるんですよね。
(次のEvernoteの公式ブログに書かれており、実際に検索したところ、画像の文字は認識しませんでしたが、テキスト付きのPDFファイルは中身まで検索されました)
Evernote for Windows アップデート: PDF 処理機能の大幅改善 - Evernote日本語版ブログ
次回は、ちょっと安いプラス会員でもいいかなとも考えたのですが、そうすると本などを自炊Scanした際の「画像PDFファイル」の検索ができなくなってしまいます。
この対策としては、ファイル自体に事前にOCRでテキストを付加することも可能なのですが、時間と手間がかかるのであまりお勧めはできません。
有料版のAdobe製品をお持ちの方や、次のソフトで画像PDFからテキストファイルを作成できるようなので、興味のあるかたはご活用ください。
Vector 新着ソフトレビュー 「Renee PDF Aide」 - OCR機能を搭載し、画像内の文字列をテキスト化することも可能なPDF変換ソフト
OCRにより透明テキストつきPDFを作成可能になった「かんたん PDF ダイエット」 - 窓の杜
Acrobat | スキャナ取込みの際に文字をテキストとして認識させる方法 (Acrobat XI/DC)
それと、画像文字の検索機能をほとんど利用せず、メール経由でEvernoteに保存していない場合には、無料会員のまま、とりあえずローカルノートブックにデータを保管しておいて、10GB近くなったら単月(450円)でプレミアム会員の契約をして、まとめてアップロードするのも有りだと思います。
セキュリティについて
近年、情報漏洩といったセキュリティ事故のニュースを頻繁に耳にするようになってきており、Evernoteの情報はハッカーからすれば宝の山であり狙われ続けると思うので、いつかはEvernoteにも同じような事故がおきてしまうかもしれません。
そこで私はEvernoteには次のルールでデータを保存しておくことにしています。
<漏洩に備えたデータの保存ルール>
・Evernoteのオンラインデータ: 漏洩しても自分だけしか困らないもの
→ Webクリップ、自炊した本、音楽データ、News、ライフログ
・Evernoteのオンラインデータ(PDFにパスワード付): モバイルで閲覧する可能性がある個人情報
→ 電話番号表や住所録など
・Evernoteのローカルノートブック: 漏洩したら家族や関係者に迷惑をかけてしまうもの
→ 年賀状、名刺など
・Evernoteのローカルノートブック(PDFにパスワード付): 自分以外の人に目にされると困るもの
→ お金にかかわる書類など
PDFファイルにあらかじめパスワードをつけておけば、Evernote上でパスワードを入力して開くまでは検索対象にはなりませんので、セキュリティを強化できます。このソフトでPDFファイルにパスワードを追加できます。
無料PDF編集フリーソフト CubePDF Utility - CubeSoft
なお、次のようなEvernoteの「選択したテキストを暗号化する」という機能は、使っていないです。
http://記憶の付箋.net/post-1077/
また、写真はEvernoteでは管理しにくいと思うので、現在はEvernoteに写真は保存していません。
Evernoteのログインパスワードに加えて、『認証コード』を追加設定することで、セキュリティを強化することができます。
手順はこちらのブログに詳しく書かれています。
今すぐ!Evernoteユーザーが絶対すべき2段階認証の設定方法 | あなたのスイッチを押すブログ
ローカルノートブックのバックアップ
ローカルノートブックは、データベースファイル(.exb)には含まれていないため、 バックアップの際には、個別にエクスポートして保存する必要があります。
【2015年9月追記】
Evernoteのサポートセンターに確認してみましたが、やはりデータベースフォルダ(Databases)のデータ内には、ローカルノートブックのデータは含まれていないため、個別にエクスポートする必要があるとのことでした。
ENEX形式(.enex)でエクスポートすると、タグは記憶してくれるのですが、ノートブック名は記憶してくれず、一つのノートブックにまとめて復元されてしまうので、完全な復元にならないんですよね。
そのため、同期しているノートブックのバックアップはデータベースフォルダ(Databases)をバックアップして、ローカルノートブックはENEX形式(.enex)でエクスポートするのが理想の形ではないかと思います。
(1)同期しているノートブックのバックアップ
同期しているノートブックのバックアップはこちらのブログに書かれている通り、「データベースフォルダを丸ごとバックアップ」するのが良いと思います。タグやノートブックを含めて復元可能です。
Evernote バックアップの必要性とその4つの方法とは?
(2)ローカルノートブックのバックアップ
上記ブログに書かれている自動バックアップソフト「Evernote Exporter(for Windows)」を試してみましたが、この場合、同期しているノートブックも含めてすべてのノートをエクスポートしてしまい、バックアップファイルのサイズが増えてしまいます。
ローカルノートブックの数だけ、手動でエクスポートすればよいのですが、それも面倒なので、ローカルノートブックだけをまとめてエクスポートする方法を調べてみたところ、Windows版のEvernoteはコマンドプロンプトからも実行できることがわかりました。
仕様はこちらに詳しく書かれています。
Windows - Evernote Developers (コマンドラインからの Evernote の操作)
例①
ローカルノートブックが複数ある場合、コマンドプロンプトで次のコマンドを実行すれば、ローカルノートブック内のノートを順番にエクスポートが可能です。
■コマンドの例
cd c:\Program Files\Evernote\Evernote\
ENScript exportNotes /q notebook:"ローカル年賀状" /f G:\evernote-local\localNotebook-年賀状.enex
ENScript exportNotes /q notebook:"ローカル名刺" /f G:\evernote-local\localNotebook-名刺.enex
■ コマンドの説明 <="">
<=""> 1行目: ENScrip.exe が保存されているディレクトリへ移動
2行名: ローカル年賀状というノートブックをGドライブの「evernote-local」フォルダ内に「localNotebook-年賀状.enex」というファイル名でエクスポート
3行名: ローカル名刺というノートブックをGドライブの「evernote-local」フォルダ内に「localNotebook-名刺.enex」というファイル名でエクスポート
例②
ローカルノートブックが複数ある場合、それを「LocalNotebooks」というスタックでまとめておき、コマンドプロンプトで次のコマンドを実行すれば、ローカルノートブック内のノートをまとめてエクスポートが可能です。
■ コマンドの例
cd c:\Program Files\Evernote\Evernote\
ENScript exportNotes /q stack:LocalNotebooks /f G:\evernote-local\localNotebook.enex
■ コマンドの説明
1行目: ENScrip.exe が保存されているディレクトリへ移動
2行名: 「LocalNotebooks」というスタック内のノートブックをGドライブの「evernote-local」フォルダ内に「localNotebook.enex」というファイル名でエクスポート
※この場合の注意点としては、ローカルノートブックの復元の際には、ノートブック名は記憶されていないので、一つのノートブックにまとめて復元されます。そのため、複数のノートブックを作り直すことになるので、あらかじめローカルノートブック内のノートには、そのノートブック名と同じタグ名をつけておいたほうが、いざ復元となったときに仕訳の手間が省けると思います。
タスクスケジュールで自動実行
上記①や②のバッチファイルを作成しておき、タスクスケジュールに登録しておけば、定期的なバックアップ運用が可能です。
バッチファイルを用いた一般的なバックアップとタスクスケジュールの登録手順はこちらのブログが参考になると思います。
Windows Serverで動作する、バックアップ+世代管理してくれるバッチファイル|成長の果実
Tech TIPS:タスクスケジューラの基本的な使い方(Windows 7/8/8.1編) - @IT
契約プランによる違い
ローカルノートブックでも、契約プランに従い、1ページあたりのファイルサイズの違いがありました。
・25MB(ベーシック版)
・50MB(プラス版)
・200 MB(プレミアム版・Evernote Business)
プレミアムプラン契約時に取り込んだ容量の大きなページをenexファイルの形式でバックアップした場合、プレミアムプラン以外の契約のときは、インポートしようとするとエラーになります。
次の画面は、Windows7(64bit版)でプラスプランのときに、enexファイルをインポートしたときの例です。上限を超えるページがあるとインポート処理がそこで止まってしまいます。
※なお、Windows7 32bit版で上限を超えたファイルをインポートしようとしたところ、次のメッセージが表示されます。これを見ただけでは、何のエラーかわからないので、Evernoteは64bit版のPCを利用したほうがよいと思います。
「ノートをインポートできませんでした。エラー:NO_MEMORY Ran out of memory while processing data」
契約プランによる違いはこちらのページに詳しく書かれています。
Evernote のシステムにはどのような制限がありますか?
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その他
[Evernote] ローカルノートブックを使ってでも活用する3つの意味。 | あなたのスイッチを押すブログ
Evernote無料ユーザーなら絶対知っておくべきローカルノートブック機能
リンクばかりですみません。いろいろなブログを参考にさせて頂いています。ありがとうございました。
No.019-Evernoteの活用②(インポートフォルダ) ~ 徐々に上達! (IT Trial Labo)
No.021-Evernoteの活用③(カテゴリ整理) ~ 徐々に上達! (IT Trial Labo)
自炊したPDFファイルをEvernoteでDB管理<①自炊手順とファイル名>
自炊したPDFファイルをEvernoteでDB管理②<ファイル分割とEvernoteの活用>
以上、参考になれば幸いです。